二次健康診断等給付は、労働安全衛生法第66条第1項の規定による健康診断(一次健康診断)において、異常所見があった場合に、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断を無料で受けることができる制度です。さらに、脳・心臓疾患の発症の予防を図るための「特定保健指導」を1年度内に1回無料で受けることもできます。
一次健康診断の結果、次のすべての検査項目について、「異常の所見」があると診断されたときは二次健康診断等給付を受けることができます。
一次健康診断の担当医師により、(1)から(4)の検査項目において「異常なし」と診断された場合でも、事業場に選任されている産業医等が、就業環境等を総合的に勘案し、異常の所見を認めた場合には、産業医等の意見を優先することとなっています。
一次健康診断またはその他の機会で、医師により脳・心臓疾患の症状を有すると診断された場合、二次健康診断等給付を受けることはできません。
特別加入者の健康診断の受診は自主性に任されていることから、特別加入者は二次健康診断等給付の対象とはなりません。
二次健康診断等給付には、「二次健康診断」と「特定保健指導」の二種類の給付があり、それぞれ無料で受けられます。
二次健康診断は、脳血管と心臓の状態を把握するために必要な検査で、具体的には、次の検査を行います。
*1 一次健康診断で受検している場合は、二次健康診断では行いません。
*2 一次健康診断の尿蛋白検査で、疑陽性(±)または弱陽性(+)の所見が認められた場合に限ります。
特定保健指導は、二次健康診断の結果に基づき、脳・心臓疾患の発症の予防を図るため、医師または保健師の面接により行われる保健指導です。具体的には、次の指導を行います。
なお、二次健康診断の結果、脳・心臓疾患の症状を有していると診断された場合は、特定保健指導は、実施されません。
二次健康診断等給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院または診療所、都道府県労働局長の指定する病院もしくは診療所での、現物給付となります。これらの医療機関は、いわゆる「労災指定病院」とは異なるもので「健診給付病院等」と呼ばれます。
愛知県における二次健康診断指定医療機関名簿はこちらをご覧下さい。
二次健康診断等給付は、1年度(4月1日から翌年3月31日までの間)に1回のみとなります。これは、二次健康診断等給付が、労働安全衛生法第66条第1項(定期健康診断)に基づく健康診断に異常所見があるときに給付されるものであることからです。
注意点としては、ほかの労災給付のように所轄労働基準監督署長に請求するのではなく、検診を受けようとする医療機関を経由し都道府県労働局長に請求するという点です。提出する様式は「二次健康診断等給付請求書」(様式第16号の10の2)となります。
添付書類として、一次健康診断の検査項目のいずれにも異常所見があると診断されたことを証明する書類(一次健康診断の結果票の写しなど。様式は任意)が必要となり、その請求は一次健康診断を受けた日から3ヶ月以内に行う必要があります。(やむを得ない事情のあるときを除く)
二次健康診断等給付を受ける権利は、労働者が一次健康診断の結果を知ることができる日から2年で時効となります。