その認識は間違いかも?労災事故でよくある勘違い5選

労災事故について相談を受けていると、

・自分が悪い事故だから労災にならないと思っていた
・パートだから対象外だと思っていた
・会社が認めてくれないから申請できないと思っていた

など、制度について誤解されているケースがあります。

こうした思い込みから、本来利用できる制度を活用できていない方も少なくありません。

今回は、労災事故に関するよくある勘違いについてご紹介します。

労災事故でよくある勘違い5選

1.自分に不注意があったから労災にならない?

労災事故についてご相談をいただく際、

・足元をよく見ていなかった
・作業中に自分でバランスを崩した
・機械の操作を誤ってしまった

など、

「自分にも落ち度があるので労災にはならないと思っていました」

というお話を伺うことがあります。

しかし、労災保険では、労働者に不注意があったかどうかだけで判断されるわけではありません。

業務中や通勤中に発生した事故であるかどうかが重要となるため、ご自身に一定の過失があったとしても、労災の対象となる可能性があります。

「自分が悪かったから」と決めつけず、業務中や通勤中の事故であれば、まずは労災保険の対象となるか確認してみることが大切です。

仕事中の事故でご自身にも不注意があった場合の労災保険や損害賠償の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

https://roudousaigai.net/school/kashitsuwariai/

2.会社が認めなければ労災申請できない?

労災事故が発生した際、

「会社が労災だと認めてくれないので申請できません」

というご相談を受けることがあります。

しかし、労災申請は会社だけが行うものではなく、被災した労働者本人が行うこともできます。

もちろん、実際の手続きでは会社の協力が必要となる場面もありますが、会社が労災と認めていなかったり、手続きに協力的でなかったりする場合でも、直ちに申請できなくなるわけではありません。

会社の対応に不安がある場合には、労働基準監督署へ相談しながら進めることも考えられます。

会社が労災手続きに消極的な場合の対応については、こちらの記事でも詳しく解説しています。(https://roudousaigai.net/school/rousai-kyohi/

3.正社員でないと労災保険は使えない?

労災保険は正社員だけの制度だと思われている方も少なくありません。

しかし、労災保険は雇用形態によって適用が決まるわけではなく、パートやアルバイト、契約社員なども対象となる可能性があります。

一方で、自営業やフリーランスの方は原則として労災保険の対象外ですが、建設業の一人親方など、一定の場合には特別加入制度に加入していることがあります。

そのため、

・パートだから
・アルバイトだから
・自営業だから
・勤務時間が短いから

という理由だけで、対象にならないと決めつけず、仕事中や通勤中に事故やケガが発生した場合には、まずは制度の対象となるか確認してみることをおすすめします。

労災保険の対象となる方や、個人事業主・フリーランスの方に適用される特別加入制度については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

https://roudousaigai.net/rousaihoken/

https://roudousaigai.net/school/freelance/

4.健康保険を使えば十分なので労災申請しなくてよい?

事故直後は、

「軽いケガだから大丈夫だろう」
「数日で治ると思った」

と考えてしまうこともあります。

その場合には、労災のことは考えず健康保険を使って受診されるケースも少なくありません。

しかし、仕事中や通勤中のケガについては、本来、労災保険の対象となる可能性があります。

また、当初は軽傷だと思っていても、後から症状が長引いたり、通院期間が予想以上に長くなったりすることもあります。

そのため、仕事中や通勤中の事故でケガをした場合には、まず労災の対象となるかを確認することが大切です。

健康保険と労災保険の違いや、仕事中・通勤中のケガを健康保険で受診した場合の注意点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。(https://roudousaigai.net/school/wrong-insurance

5. 労災認定されたら会社には何も請求できない?

労災認定を受けると、

「もう補償は労災保険だけだから、会社に請求することはできない」

と思われる方もいます。

しかし、労災保険は治療費や休業(補償)給付などを補償する制度であり、すべての損害が補償されるわけではありません。

例えば、

・慰謝料
・後遺障害による逸失利益
・労災保険で補填されない休業損害の一部

などについては、会社に安全配慮義務違反などが認められる場合、別途損害賠償を請求できる可能性があります。

そのため、「労災認定を受けたから、それで終わり」と考えるのではなく、ご自身のケースで請求できるものがないか確認することも大切です。

労災保険で補償されるもの・補償されないものや会社に損害賠償を請求できるケースについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

https://roudousaigai.net/kiso/#point

まとめ

労災保険については、「自分には関係ない」「申請できない」と思い込んでしまい、本来利用できる制度を活用できていないケースも少なくありません。

仕事中や通勤中の事故でケガをした場合には、ご自身だけで判断せず、まずは労災保険の対象となるか確認することが大切です。少しでも迷うことがあれば、一人で判断せず、労働基準監督署や専門家へ相談することをおすすめします。